最近は輸送技術が発達し、生ガニや活ガニを通販で購入できることも多くなりました。
確かにゆでたてを食べたほうが新鮮で味も良い……とは分かっていても、自分でゆでてさばくのはとても難しそうですね。
しかし、ポイントさえ押さえておけば、、、
家庭のキッチンで活ガニを調理するのは結構簡単なのです。
今回は、タラバ、ズワイ、毛ガニの種類ごとに、生からおいしく調理するコツをご紹介します。
水からゆでる?沸騰してからゆでる?
いろいろな説がささやかれていますが、生ガニ(水揚げ後、冷凍保存されたカニ)の場合は沸騰してから茹でたほうが味が抜けにくくなります。
一方、活ガニ(まだ生きて動いているカニ)は水から強火でゆでたほうがじっくり旨みを閉じ込められます。
水の量は、カニがすっぽり浸かるぐらい。
吹きこぼれを防ぐため、鍋いっぱいではなく8分目ぐらいになるくらいが良いでしょう。
ゆでる際は必ず塩を入れますが、その量は一般的に海水濃度の3.5%より薄い1Lあたり約30g。
ですがカニの種類によっても若干変わり、
この塩加減で味が決まると言えるので、以下を参考に調整しましょう。
ゆで上がった後は冷水に漬けて身を締めます。
5分ほどで十分ですが、20分ほど冷却すると身離れが良くなります(冷却し過ぎると旨味が抜けるので注意)。なお、元気が良い活ガニの場合は、真水に15分程度漬け、動かなくなってからゆでると良いでしょう。
タラバ、ズワイ、毛ガニによって違う!ゆで方のコツとは?
タラバガニ
タワシなどで汚れを軽く水洗いします。
タラバガニ自体に味があるので、これを損なわないよう塩は20%程度(1Lにつき20g)のやや薄めが良いでしょう。
タラバガニのミソは傷みやすく、ゆでた時脚に溶け出してしまうため、生ガニの場合はあらかじめ前掛けを開いてミソを取り出したほうが無難です。
水を張った鍋に、甲羅を下にして全体が浸かるように塩と一緒に入れ、沸騰させます。
ゆで時間は小ぶりのカニなら17~20分、大きめのカニなら20~25分を目安に。
毛ガニ
汚れを軽く水洗いします。
毛ガニは水分が多いので、少し濃いめの35%程度の塩分濃度にします。
甲羅を下にして全体が浸かるように入れてゆでます。
沸騰後、小ぶりのカニなら15分、大きなカニなら20分を目安にゆでます。
ゆでる時に昆布を入れるとおいしさが増しますのでぜひお試しを。
ゆで上がったら冷水にとります。
ズワイガニ
タワシなどで汚れを軽く水洗いします。
塩はタラバ同様、20%程度の塩分濃度で。甲羅を下にしてゆで、沸騰後、小ぶりのカニなら15分、大きなカニなら20分を目安にゆでます。
ゆで上がったら冷水にとりますが、この時の注意は、
※ゆでた後の「ゆで汁」には、カニのエキスや旨味がたっぷり入っています。捨てずに味噌汁やダシとして使いましょう。ゆで汁を使う場合は初めにカニをしっかり洗うこと。
カニの捌き方
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キッチンばさみ(タラバ、ズワイはしっかりしたものが無難。毛ガニは小さいハサミでもOK)と包丁、カニスプーンを用意します。
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ズワイ、毛ガニの場合は、ミソがこぼれないように甲羅を下側にしたまま、下部にある三角の「ふんどし」を親指ではがし、パカッと胴体を開きます。
すると、カニの最も美味しい部分である「ミソ」が現れます。このミソをきれいにこそげ取り、甲羅に移します。※タラバはミソがありません。
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銅のビラビラしたエラ(ガワ)は食べられませんので取り除きましょう。
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胴(抱き身)の目や口を切り取り、縦半分に包丁で切ります。
最も肉質がしっかりした肩部分は、脚ごとに一本ずつ真ん中からハサミを入れて身を掻き出していきます。タラバの場合は殻が堅いので包丁で切断しても良いでしょう。
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脚は、付け根の太い部分と、爪部分の細い部分の2つに切り分けます。タラバやズワイなど身がしっかりしたカニは、太い脚の皮を包丁でこそげて身を取り出します。
毛ガニの場合は、脚の側面にハサミを入れて指でこじ開け、カニスプーンで身を掻き出しながら食べます。
こじ開ける際、殻は意外と鋭いので指を切らないように注意。
まとめ
漁師の方によると、「カニの最も美味しい食べ方は、活ガニを購入し、自宅でゆで、ゆでたてを食べること」だそうです。
今まで「家でゆでるのが難しそう……」と敬遠していた人も、一度ゆでてみると案外簡単なことが分かるはずです。これからは生・活でより美味しくカニの醍醐味を楽しめそうですね。