やはりカニを食べる時はお酒と一緒に楽しみたいもの。
日本酒にワイン、焼酎、ビールなどどんなお酒でも合いそうですが、カニも種類や食べ方によって味わいが異なるので、相性を考えて合わせるのも大事なんです。
そこで今回は、カニの種類・料理別にお酒とのベストマッチングを徹底解説します!
カニと日本酒の合わせ方って?
基本的に、食べ物と日本酒は「濃淡が近い」もの同士を一緒に食することで料理の味が引き立つと言われています。
淡白な味の食べ物ならすっきりしたお酒を、濃厚な味の食べ物ならどっしりしたお酒を…ということです。
上品な味のタラバガニには純米大吟醸、純米吟醸酒を
ぎっしりと身の詰まった太い脚をもつタラバガニ。ボイルや焼きガニにしても、カニしゃぶやカニ刺しにしても、身の甘さと弾力のある食感が楽しめます。
その美味しさをより堪能するなら、上品で優しい味わいの純米大吟醸酒・純米吟醸酒がおすすめ。
米の酸味とアミノ酸の旨味が濃厚ながらフルーティーな後味があり、ふくよかで淡白なタラバガニの美味しさが際立ちます。
より甘みの増す4月~5月のタラバガニなら甘口を、脱皮を終えて身が締まる11月~2月頃なら辛口を合わせると良いでしょう。
磯の味が強いズワイガニには端麗な本醸造酒を
塩気があり海の香りがふわりと立つズワイガニ。
そのまま食べても、ボイル・焼きガニでも素材の味を楽しめますが、タラバガニに比べて足に詰まっている身が少ないので、カニ鍋にするのもオススメ。カニのエキスが溶け出した贅沢な出汁まで味わい尽くすことができます。
合わせるお酒は・・・
純米酒に近い香りと風味を持ちながら純米よりも淡麗でまろやかな本醸造酒を。
どっしりボディのあるお酒の味わいが、カニの塩気に負けず口の中で融合して芳醇な旨味に変わります。鍋なら燗酒にしても。
ズワイガニの味噌にはより米の甘みが強い特別本醸造が合いますよ。
甘みのある毛ガニには断然、純米酒か純米大吟醸酒を
身が濃密で、濃厚な甘みと程よい塩気のある毛ガニ。これには断然、米の旨味の強い純米酒や含みのある純米大吟醸酒がぴったりです。
度数の高いものが特にオススメ。無濾過、原酒など重厚感のあるものも良いでしょう。
ミソを味わうなら互いのコクを引き立て合う辛口の純米大吟醸酒が相性抜群!
なお、ほぐした身を甲羅に詰めて焼く「甲羅焼き」にすると一層美味です。
締めに甲羅酒を作る場合は、やや端麗な大吟醸を。毛ガニの磯の香りとフルーティーなお酒の味わいのハーモニーが楽しめます。
日本酒だけじゃない、ワインとの合わせ方って?
日本酒はもちろん、カニはワインとも相性抜群です。
ワインの場合は調理法によって合わせ方のコツがあります。
刺身、ボイル、焼きガニなどカニ本来の味を楽しむ食べ方と、コロッケやカニグラタンなどカニを使った料理で味わう方法、それぞれに合ったワインの選び方を見ていきましょう。
カニの刺身、ボイル、焼きガニに合うワイン
断然白ワインがピッタリですが、カニの種類によってブドウを選ぶのもツウな合わせ方。
淡白なタラバガニの刺身やボイルなら、オーソドックスなソーヴィニヨン・ブラン
をオススメします。
果実味が強く酸味があるスッキリした味わいがカニのやわらかな身の甘さの邪魔をせず、ワインとのペアリングを楽しめます。
また火を入れて味が締まった焼きガニは、シャルドネとの相性抜群です。
特にフランス・ブルゴーニュ地方のシャルドネは果実が熟れないので酸味が際立っており、海の香りの強いタラバの焼きガニに合います。
カリフォルニア産の甘みのあるシャルドネは、タラバ・ズワイ・毛ガニなどどんなカニの刺身・ボイルにも合わせやすいオールプレイヤーです。
カニすき、カニしゃぶ、カニ鍋に合うワイン
こちらも白ワインがベストパートナーですが、汁物に合わせるのでしっかり果実感を感じられるワインが良いでしょう。
そこで、白ワインの中でもリースリングを使ったワインをオススメします。
ドイツやオーストラリアなどで栽培されるリースリングで作ったワインは、果実の味を楽しめるようアルコールは抑え目。タラバのカニしゃぶ、カニ鍋ならややアルコールが弱めのものを、ズワイの場合はアルコールが強めのものを合わせるとカニ本来の味を一層楽しめます。
赤ワインやロゼでもカニを楽しめる?
カニなど魚介類には白ワイン、が定説ですが、洋風に調理したカニ料理には赤ワインやロゼワインだってよく合います。
カニのグラタン、カニクリームコロッケなどベシャメルソースのクリーミーな味わいを引き立てるなら、口当たりが良くフルーティーなロゼワインや、コクと酸味のバランスが良いメルローの赤ワインがオススメです。
カニクリームのパスタなど炭水化物を合わせた料理には、タンニンがしっかり感じられるカベルネ・ソーヴィニョンがピッタリです。
また、意外と赤のスパークリングはカニ雑炊、カニ飯、カニの酢の物など和食にもマッチングするのでお試しを。
つまり、「お酒の濃淡」と「カニの味わいの濃厚さ」を合わせるのがコツ
日本酒でも使う酒米や醸造地によって味わいが異なるのでそれぞれのタイプを見極めて合わせるのがベストですが、ご紹介した一例をぜひ参考にしてみてください。
ビールや焼酎の選び方は?
また、カニにはビールも焼酎ももちろん合います。
黒ビールや米焼酎など濃厚な味わいならズワイや毛ガニなどしっかりした味のカニを、
小麦を使った白ビールや麦焼酎ならタラバを…
などと、お酒の「どっしり感」とカニの「濃厚さ」を基準に合わせるのがポイント。
ステイホーム中、自宅でカニをお取り寄せした時は、お酒とのペアリングも楽しんでみてはいかが?