タラバガニを自宅で食べる場合、見た目は多少悪くても構わないから安い方がイイ!と思うのは当然のこと。
カニ通販ではさまざまな「訳あり」が販売され、しかも値段は通常の半額ほどのものも。
では早速!と飛びつく前に、その「訳」、どんなワケ?と考えてみましょう。そして、なるべく良い訳のカニを購入するコツを学びましょう!
訳ありタラバガニってどんなカニ?
タラバガニは通常、一匹丸ごとの「姿」か、脚が揃った「肩(フルシェイプ)」、太い「脚」だけ、脚をむき身にした「ポーション」で売られます。
サイズが大きければ大きいほど高価になり、見た目も綺麗なものが喜ばれます。
ただタラバガニは養殖技術がなく、天然物を海から網で引き上げるので、この時にカニ同士がぶつかったりして脚が折れたり、傷がついたり、爪が欠けたりする場合もあるわけです。
主な「訳」のワケは…
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甲羅の傷付き、穴あき、フジツボ付きなど
⇒甲羅だけが問題なので肩は普通に販売。脚以外を訳ありに回す。 -
脚折れ、爪欠け、脚が短い
⇒そのまま訳ありの「肩」か、バラして販売。
規格外の脚は「半端もの」として詰め合わせにする場合も。 -
2枚皮(脱皮中で中にもう一枚皮がある)
⇒脚の中にも皮があるため、全体が訳ありになる。
いい「訳」と悪い「訳」がある
他にもさまざまな「訳」があります。
前述の「訳」は、見た目が悪い、可食部が少ないといったデメリット。
ですが、味に関わる「訳」は避けたいと思いませんか? よくある悪い「訳」は以下の通りです。
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長期間冷凍しすぎて冷凍焼けを起こしている
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冷凍、解凍を繰り返して風味が落ちている
カニは2年以上冷凍すると風味が落ちると言われています。
氷の匂いが付いてしまったり、単純に味が劣化したり…。
また冷凍と解凍を繰り返すと、カニ肉の繊維質が破壊され、旨味が抜けてスカスカになってしまいます。さらに解凍時に菌が繁殖し、食中毒になる恐れも!
以上を踏まえて、買う時にどんな訳なのかをしっかり調べましょう。
ネットでは、写真付きで「脚が折れています」「傷があります」など正当な訳を説明しているものを選びましょう。電話で尋ねるとほとんどのショップが回答してくれます。
ここで注意して欲しいのは「販売業者もどんな理由か知らない」という訳ありガニ。
こういった店は自社でカニを見ておらず、
卸業者から仕入れているだけなので、品質の保証がありません。
「訳あり」の中でもベストを選ぶために
まず覚えておいて欲しいのは、小さいカニ=身も少ないということ。
L以下の訳あり、細い脚を詰め合わせた訳ありは、殻部分が多く可食部が少ないので避けたほうがよいでしょう。
また姿(丸ごと)のカニはその分食べられない甲羅の重量も入っているので、訳ありを買うなら、「肩」が一番可食部分が多いようです。
肩の付け根の「ダキ」にも身が詰まっていて、ここはカニがよく動かす部分で弾力があり大変美味です。
ダキだけ集めた訳ありもありますが、貴重なのであまり出回っていないようです。
いい「訳あり」の見つけ方
では、どんな店の「訳あり」を買うべきなのでしょう。それを見分けるコツをお伝えします。
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大手である
(評判が落ちるので変なことはしない) -
訳を写真付きで説明している
(できれば自社商品を撮影したものがよい) -
カニ専門店、もしくは海産専門である
(お菓子など無関係なものを販売していない)
特に3は注意!カニ以外にお菓子など雑多な商品を売る会社は単なるお土産屋です。
訳あり専門に扱う会社から仕入れ、さまざまな訳あり食品を販売しているショップが多いようです。ただカニ専門店でも、訳あり需要に応えるため専門業者から仕入れることもあり、さまざまです。
筆者が取材した中で、これは「買い」な訳ありだと思ったのは、
「箱が汚れているだけ」「産地直送なので綺麗に包装できない」といった、単に「人に贈るのには向いていない」という理由の商品です。
ただ、良い「訳あり」はいつも出てくる商品ではありません。人気のサイトでは知っている顧客が訳ありが出るのを待っていて、すぐに売り切れてしまう場合もあります。
実店舗でも訳ありは出てくる!
これは余談ですが、通販だけでなく実店舗でも「訳あり」はあります。
上野のアメ横などの店頭では、店の人が落としてしまって脚が欠けた、扱うときに傷が付いたなど、全く品質に問題のない訳ありを店の奥に隠して(?)あったりします。
もともと正規品として入ってきたので品質は問題なし。
中には「アルゼンチン産で、美味しいのに敬遠されるから半額以下!」なんて珍しいものも。
店頭で、「訳ありはないの?」と聞いてみてください。運が良ければ、ちょっとお得なカニを出してくれます。
何kg買うべき?
姿か、肩か、脚詰め合わせか、種類詰め合わせか…によって変わってきます。
例えば色々なショップで比較すると、
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「姿」1kgで7332円
(小さいサイズなので1本オマケの脚付き) -
「肩」2.5kgで1万500円
(800g〜1kg前後) -
「脚詰め合わせ」1kgで4280円
(L以下の細い脚ばかり) -
「種類いろいろ」約5kgで1万4800円
(タラバ、ズワイ、毛蟹、花咲蟹、アブラガニがごちゃまぜで、何が入るかはその時次第)
タラバガニにこだわる場合、4では運が悪ければタラバガニが入っていない可能性も。
3は可食部が少ないかもしれないし、
1も甲羅の重量が入っているので…と考えると2が良さそうです。
ただし、やはり気をつけなければならないのはショップの性質。
カニ(海産)専門か?どんな「訳」なのか? 一つ言えるのは、電話で問い合わせをするのが一番確実ということで、ほとんどの疑問は解決するということ。
「ネットで調べる→電話で問い合わせる→比較検討して購入」が、一番堅実なカニの買い方です。
まとめ
ショップの数だけカニの種類も品質もさまざまで、一概にこう!とは言い切れません。
初心者の場合は、大手のショップで買うとか、電話で対応が良いお店で買ってみる…といった「信頼できる店」で試してみるのが良いかもしれません。